かのOBたちは、ソニーが「ウォークマン」や「トリニトロンテレビ」、「ハンディカム」のビデオカメラといった製品で世界をうならせていた時代の経営幹部だ。一線を退いた後も尊敬を集めており、彼らに義理立てする社員もいる。
しかし彼らは、戦後の日本の製造業の高い技術力を体現していたソニーが、韓国のサムスン電子や台湾のHTCなど、製品を安価に製造できる敏捷なアジアの電子機器メーカーに敗れていく様子を、落胆しながらながめていた。
そして平井氏には疑念を抱いており、ソニーの競争力回復に必要だと平井氏やストリンガー氏が主張しているコスト面や企業文化面の改革も快く思っていなかった。そのため、プレイステーションの生みの親である久夛良木健氏などエレクトロニクス畑出身のCEO候補を数人提案した。
「基本的に言えば、時計の針を元に戻そうとする試みだった」。
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